昭和初期の山岳雑誌

 樵路を歩くための参考文献として、昭和初期の雑誌がとても役に立ちます。山道は五十年も放置されると、ほとんどあるかないか分からぬほどになってしまいます。2018年現在から見ると、五十年前とは1968年(昭和43年)のこと、つまり昭和三十年代までの雑誌にはそれ以前の情報があることになります。
 特に雑誌類は、ガイドブックに比べ保存状況が悪いです。蔵書施設が少なく、その巻号もバラバラです。全巻揃いの蔵書を持つ施設は存在しないか、あっても一、二施設程度でしょう。現状では、例え全て揃えている方がいたとしても、個人のコレクターの方くらいでしょうか。または全巻揃いの資料は、もはや存在しないのかもしれません。そのため発行期間すら不明で、目次情報などは全く存在しません。
 ここでは、研究者の方のご参考にと、整理した独自の目次情報を公開していこうと思います。いま手元には関心ある雑誌の全ての目次情報がありますが、目次自体に著作権があるためこれを公開することはできません。従って、目次の中から山岳研究にとって重要な情報※を抽出し、独自の整理を行った、自前の文献リストを作成することにしました。
※概説・ガイド・記録・紀行・研究・報告・紹介・散文等。含まないものは、写真・絵画・詩歌・俳句・純文学・広告・イベントや商業的案内など。
 極めて手間のかかる作業のため、中々捗らないと思われ、またいつ終了するかも分かりませんが、出来た分から載せていこうと思います。申し訳ありませんが、間違いの確認も不十分のため(確認するだけ全体作業が遅くなるため)、参考情報程度にご利用いただければ幸いです。

(2018.2.28追記)
 積読(つんどく)状態にあった「冬人庵書房」(野口冬人)を、この記事作成を機会に読み始めました。古本収集家の野口氏は山岳雑誌や発行者、投稿者の人脈にも詳しく、下記「山と高原」についても、分かりやすい解説をされております。私が一生懸命解析した山岳雑誌変遷物語も、氏が明快に解説しているので、拙文に頭を捻らすよりこれを読んだ方が遥かに効率良いと思います。ご関心の方にはお勧めいたします。
 ただし氏の「本キチ」ぶりは凄まじく、並外れた古本蒐集を堂々と正当化しています(笑)。私は先日も、かなり悩んだ末「上越の山」(日本登高会)を5000円で購入しました。今まで逡巡のあげく購入していた古書ですが、この本を読んだ後ではついつい、野口氏に比べたら大した事ない、と考えてしまいがちです。それでも良いという方、かなり貴重な裏話も出てきますので、ぜひ読んでみてください。

 

【第二次大戦前】
山と高原(第一期)
山とスキー(山とスキー社)
アルピニズム/登山とスキー(アルピニズム社/黎明社/登山とスキー社)
ハイキング(ハイキング社)(作業中)

 

【昭和20~30年代】

(未着手)