小川谷下段右岸道 【廃径】
車道(小川谷林道)開通前に使われていた右岸旧道(下段歩道)は、全体的に徐々に荒廃の傾向にある。特に急傾斜の岩壁を連続する桟橋で通過する四軒(しけん)小屋から三又東方のロープの張られた地点にかけて、遡行時の高巻きをこなす程度の登挙力が必須。他の山域に比べ決して難路ではないが、日原周辺は、ウェブサイトの記事を参考にしたり、ガイドブック・マーキング・勘などに頼った実力不足の入山者の痕跡が目立つが、特に鳥居谷~三又の東のロープが張られた分岐の間は、一般登山者・ハイカーの安全な通行は不能(偶然・運よく通行できたとしても安全な通行とは言えません)。
●三又~犬麦谷分岐~人形山尾根
三又(ミマタ)から右岸旧道を進む。始めは川沿いの良道だが、数分でこの先は廃道とのことで、ロープのとおせんぼにより上段歩道への誘導がある。
廃道とのことなので、この先暫くは道でなく、小川谷下降の三又の大淵の高巻きとの認識で進む。暫くは植林地の荒れた道型が使えるが、小尾根を回り込んでからは、落ちた桟橋が連続する。川浦谷、大久保谷など秩父側の谷に比べれば可愛いものだが、その場の状況を見ながら周囲に適宜ルートを探しつつ、落下桟橋を次々とクリアして行く。
道型が安定してきた頃、過去に崩壊したらしき窪の、治山工事地を通過する。
すぐ鳥居谷を木橋で渡る。ここから植林地に入り、崩壊地はあるものの、そこそこ手入れされた道になる。
再び、鹿ネットのある治山工事跡を通過する。すぐ下に、ワサビ小屋か何かの物置が見える。犬麦谷分岐には、古い道標がある。この辺りは道が良い。
886M独標近くの東屋のところで、小川谷から上がってきて篶坂ノ丸へ続く道が交差するらしいが、快調に飛ばしていたので気づかなかった。
篶坂窪を過ぎてすぐ、崩壊で道が流されているが、通過に困難はない。この先、小崩壊や倒木でやや荒れている。小川谷の流れが近づいてくると、ヘアピンカーブで人形山尾根を回り込む。
もうひと下りで鍾乳洞近くの林道に下り着くところだが、燕岩崩落の危険でこの下の小川谷林道が閉鎖のため、右岸旧道歩行を中座した。人形山尾根の東斜面を適当にトラバースし、燕岩を上から高巻いて一石山神社に下った。
⌚ฺ 三又-(45分)-犬麦谷分岐-(40分)-中段歩道分岐-(数分程度)-小川谷林道 [2012.10.7]