品塩山西尾根 【仕事径】

 この道は中之沢林道(車道)から品塩山下を経て、ブンキガ小屋ノ頭付近に向かう車道(中之沢支線)に連絡する、この付近で唯一の何とか利用できる歩道(電源巡視道)である。比較的最近出来た車道は、崩れやすい地形のためブンキガ小屋ノ頭(通称又尾山)付近で不通になっているが、徒歩なら通過できる。神流川線4~7号を順に繋ぐ東電巡視道で、道は悪い。ここでは上から下に向かって説明する。

● 神流川線5号への支線車道~中之沢林道(車道)

 国有林の車道(中之沢林道支線)終点近くで、神流川線5号鉄塔へと向かう東電の支線車道に入った。この辺りの車道は地形図に収載されていないが、群馬県の森林計画図である程度確認できる。歩道の入口はちょっと分かり難く、神流川線5号への支線車道に入って100M余り進み、車道が支尾根に乗った辺りである。道は始め1~2分支尾根を登り、すぐ右に巻き始めた。ピンクテープと黄プラ杭が点々と打たれているので、十分注意していれば迷わないだろう。しっかり踏まれたトラバース道で美しい自然林を緩く下ると、やがて水平になった。岩壁下を通過時する所で植物保護網を見ると、直ちに神流川線6号鉄塔下をトラバースして通過、黄標柱から僅かな距離を急登し、鉄塔のすぐ北で尾根に出た。辺りには保護網を被せた苗木が植え揃られているが、成長している風には見えなかった。
 尾根上を北上するもすぐ品塩山南峰(1282独標)の右巻きを始めた。この辺で、先の短い急登直前の黄標柱から引き続き巻くかなり不明瞭な踏跡を合わせたが、恐らく鉄塔が出来る前の旧道の残骸であろう。相変わらず道はそこそこ踏まれていて、ピンクテープと黄プラ杭が続いていた。巡視道は、東電の黄標柱が立つ品塩山の南峰と中峰(地形図に無い)との間で一度尾根に乗り、小さな中峰も右から巻いて再び尾根に乗って僅かに西側に乗越していた。「貸巡15」の黄プラ杭があるこの乗越で中之沢側に下り出すのが中之沢林道への下降路である。ピンクテープや木の階段がある踏跡が下ってくのを見逃さず、それに入った。
 主尾根を離れたすぐ下で黄標柱を見ると、道は尾根に絡んで下るようになった。時に道型が消え、単に尾根上を下るようになるので、道を失ったのか区別がつき難く、慎重に下った。始め尾根は幅広く、小さな電光型を交える時もあったが、1140M圏に肩幅+α程度の道幅のナイフリッジ的な痩せた岩稜をトラロープで渡る部分があった。神流川線7号鉄塔手前の鞍部で、今朝辿った会所越道の薄い道型が横切るのを見ると、1110M圏の鉄塔ピーク右を荒れた踏跡でトラバースした。この区間、鉄塔の真下を潜る尾根通しの踏跡も付いていた。
 1080M圏微小ピーク(地形図にない)から尾根筋の階段を急下した。新道らしき木階段の道と旧道らしい尾根に絡む道とが並走する部分もあった。960M付近で尾根の左斜面を微小な枝尾根に付いて大小数回の電光型で下るようになった。この斜面は踏跡が多く、下りでは何度も折り返すうち、うっかり正道でない踏跡に入ってしまった。それらを適当に繋いでも、下降点さえ正しく把握していれば下れないことはない。正しい道は、890M付近まで枝尾根に絡んで下った後、左の崩礫とガレの斜面を明滅する踏跡で斜めに下っていた。道型は微かで正道の判断が難しく、時折見られるピンクテープと黄標柱、木の階段が印になった。860M付近で車道終点の釜ヶ沢右岸の小広場に出た。この車道も地形図には載っていない東電の車道である。
 歩道入口には神流川線7号へ至るの黄標柱があり、登りの場合は下流方向に緩く斜めに登る感じになる。車道には橋がなく、車は流れの中のコンクリで固めた窪ませた部分を走り抜けるようになっていた。約100M先の中ノ沢も同じ要領で渡った。当日の水量は足首ほどだったので、釜ヶ沢では靴をたっぷり濡らし、やや水量の多い中ノ沢は靴下まで多少濡らしながら渡った。そのまま車道をひと登りすれば、中之沢林道であった。

 

⌚ฺ  神流川線5号への支線車道-(15分)-品塩山中峰付近分岐-(45分)-釜ヶ沢-(7分)-車道(中之沢林道)出合 [2016.10.10]
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分水界の東を巻く不明瞭な巡視道
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ナイフリッジをトラロープで渡る
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ある程度整備された7号鉄塔からの登り道
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鉄塔付近の黄標柱で会所道の痕跡が横切る
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稜線上の階段が続く
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尾根の腹に付いた不明瞭なトラバース道
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黄標柱を見て釜ヶ沢に下る
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車道は橋のない中ノ沢を渡る