古礼沢

 雁峠から水晶歩道を下っての入渓なので、水晶谷出合のしばらく上、1330M圏からの遡行である。この歩道は雁峠から約1時間半で古礼沢に下れるが、不明瞭な悪路であるうえ沢への下降点判断も難しく、慣れた遡行者にしか勧められない。沢は大変穏やかで、大きな滝が殆どない。水に洗われた緑苔がとても美しい沢だ。

● 1330M圏水晶歩道右岸下降点~古礼山・2044独標鞍部

 沢を横切る水晶歩道の痕跡は、数分間右岸を行った後、小尾根に取り付いて右上へ登っていた。最上段にCSを擁する6段12Mは見栄えのよい滝で、左岸を自由に登れる。直登が大変そうな中規模の滝も、巻きは目瞭だ。登山道と思うほど、要所にはしっかりした踏跡があり、倒木帯も回避ルートが明瞭に踏まれている。
 次第にナメが続くようになる。粗くざらついた感じなので、見た目はそれらしくなく、ただの川と思って歩いてたが、遡行図によればその辺りがナメだったらしい。滑らかなナメらしいナメは、1560M圏二俣手前、1700M圏二俣手前にあった。
 本沢の源流、1850M付近一帯がガレに埋まり伏流化しているとの情報があったので、1700M圏二俣で支沢にあたる左俣に入った。緑の苔の絨毯に覆われた水量の少ない滝を、シャワークライムで次々と直登し、思い出に残る遡行となった。この支沢は水流が消える地点から踏跡があり、古礼山と2044M峰の鞍部まで容易に上がれる。

 

⌚ฺ  1330M圏水晶歩道右岸下降点-(5分)-水晶歩道左岸取付-(1時間5分)-1700M圏二俣-(45分)-古礼山・2044独標鞍部 [2013.6.23]
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古礼沢の1330M圏から遡行開始
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穏やかな河原状の古礼沢
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右上に登って行く水晶歩道
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1370M圏右岸支沢直後の4Mは右巻きで容易
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見た目に華やかな6段12M
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1560M圏二俣手前の長いナメ
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1700M圏二俣手前の長いナメ
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1700M圏二俣で本沢(右俣)は細くなる
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支沢(左俣)は苔に覆われた滝が続く
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緑のフェイスを登る
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爽快なシャワークライム
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どこまでも続く緑の滝
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古礼山・2044Mコルに詰め登る踏跡