阿寺沢川
植林中の暗くて狭い荒れた沢。ウォーミングアップ程度。それにすら及ばないかも。
● 阿寺沢集落~西原峠
阿寺沢集落を過ぎ、未舗装林道に入ると、草が茂り車道が荒れてきたので、終点の400メートル手前で車を止め歩き出す。林道終点から、沢の堰堤上にうまく下れる踏跡を探すが、良いルートがない。ダメもとで進入禁止の有刺柵をかわして堰堤上を進んでみると、堰堤法面に鉄梯子がついており、河原に降り立った。
堆積した土砂による伏流化で水がなく戸惑ったが、1分も歩くと水流が復活したので、沢装備を行う。以下、滝名は「奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート」を参照。
数分で出合う2段10MのF2は、容易に突破する。
10分間何もなかった後ゴルジュが現れ、水線を右からへつる。さらに連続して5M級のF3、F4があり、F3は失敗すると見事な釜で泳ぐことになりそうなので軽く左を巻き、F4は面白い形の滝で、岩場の中段に水流がトイ状に流れて落ちており、そこを巻くようにへつりながら登る。
さらに10分、平凡な河原を進むと、F5二条7MCSで、左は一段、右は二段になっている。右手の岩壁のバンドから滝上に容易に抜けた。遡行的興味はここで終わりだが、折角なのでとことん谷を詰めてみた。
先のF5の少し手前から両岸が植林になり、全般に薄暗い。それでも沢沿いだけ自然林が残っているところも多く、直線的な緩い川に淵やナメが続き、快適な水辺の散歩が楽しめる。また魚影も濃く、水の中を歩くのが魚に申し訳ないくらいだ。
840Mの屈曲点を過ぎてすぐ1:3の二俣があり、この先、荒れた歩道が沢を絡むように付けられている。植林地のため、たびたび倒木が沢を塞いでいるので、その際の巻きに使えば便利だ。その歩道利用者用のピンクテープが点々と下がっている。歩道はたびたび沢を横切るが、荒廃しているのであまり気づかない。
薄暗い沢筋を15分も行くと、右手斜面の少し上に山ノ神があるが、普通に沢を歩いていると気づかない。さらに数分先で、歩道の二本の丸太橋が狭い沢を横切っているが、渡れたものではない。
すぐ先の800M圏二俣は右、さらに数分先の820M圏二俣も右を行く。いずれも水量が多く、谷が広いのでそれと分かる。わずかに先で、左岸から少し奥まって2段15Mの細い滝を掛けながら支沢が合流する。分かりやすい目標物の少ないこの沢で、ひとつの目印となる。
暗い植林地に平凡な流れが続き、酷い倒木帯を越えて十数分進むと、空瓶の散乱する850M圏三股だ。植林作業道の残骸が多く、どれを行くべきか迷うが、方角的に中俣を取る。水量はもう、子供の水遊びレベルだ。
10分弱で、1:1の880M圏二俣に着く。目立つ位置に例のピンクテープあり、また注意しないと見落としがちだが、中尾根の木に小さな赤い境界見出し標が取り付けられており、右俣左岸には炭焼釜跡がある。左俣左岸に続く西原峠への歩道を見送り、谷形状的に本流的な右俣に入る。
漸く沢に傾斜がついてきて、岩の沢床を登挙的に登って行く。940M圏二股はやや広そうな左をとり、直後の950M圏の均等な二股も左を取った。最後は泥の窪になり物理的に登りづらくなってきたので、左手の尾根に逃げると踏跡がある。少し登って、西原峠のわずか北にある車道三叉路に出た。2分下って西原峠に着く。
帰路を尾根道にするならよいが、沢沿いの峠道は山ノ神から上がほぼ消滅している。