塩沢

 塩沢橋で分岐する塩沢右岸の塩沢林道は、すぐ崩壊してしまい、そこから入渓する。

● 塩沢入渓点~中甚助窪出合

 河原歩きで始まるが、数分で谷が狭まり、始めの3Mナメ・8Mナメと続き、右から越える。  しばらく河原を進んだ後の、次のゴルジュが核心部だろう。この辺りはまだ水量が多く、慎重に行動する。両岸の岩の間から落ちる4Mは、右岸(左側)の岩を登るしかなさそうだ。高度差8M程の高巻きで高度感があるが、お助けロープが下がっているので、すがるように掴んで越える。精神的な意味で、ここのロープはもの凄くうれしかった。
 この先、快適に抜け、右から諸左衛門(ショザエモン)窪が出合う。少し先の左岸にゴミが散乱する小平地がある。小屋跡だろうか。
 さらに数分で右岸からワサビ谷が出合う。原全教の奥秩父(S8)によると、出合の左岸に鉱泉が沸き、塩沢ノ湯と呼ばれていたそうだ。今見ると、何の痕跡もない。
 この辺から水流が減ってきて、右岸・左岸関係なく、中央を気軽に突破できるようになる。気軽かつ闇雲にど真ん中を歩き、川底の石に足をとられ半身を濡らすなど、やりたい放題だ。ナメ滝の中央を平然と突破したり、いろいろ遊べるので、なかなか楽しい。
 滝をいくつか越え、地形図の1020M圏の右方向の小さく急な屈曲にかかる。本来ゴルジュだった場所に、山崩れの土砂と倒木が詰まって、凄く歩きにくい。抜けると、右岸に小平地がある。位置的には、原の案内図に記された御種小屋の跡かもしれない。
 目の前にのっぺり立ちはだかる4M幅広滝は、一瞬どうしようかと戸惑うが、左壁の小さなホールドを指先の握力で登り上げた。高度感はないので、怖くない。見事なナメの連瀑をシャワークライム気味に越えると、奥甚助窪出合だ。沢の屈曲点のため、左後方から流れ込んでくる形になり、ちょっと戸惑う。
 さらに進み、中甚助窪を左に分けると、水流はいよいよ細くなり源流の様相だ。ここで遡行を終了した。
 本当は奥甚助窪に入り、右岸の水源巡視道を下ると便利なのだが、この時は小尾根を右に登って七ツ石山下に抜け、七ツ石尾根のモノレールに沿って下った。

 

⌚ฺ  塩沢入渓点-(25分)-諸左衛門谷-(1時間10分)-中甚助窪出合付近 [2011.6.24]
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諸左衛門窪出合の滝
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快適な小滝が続く
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その後のナメの連続