大群沢・菜久保沢中間尾根 【藪径・雪径】

 鶴川右岸の大群沢・菜久保沢中間尾根を下った。973独標のある尾根である。多少クセのある尾根だったので記録に残した。

●雨降山・権現山中間の1226M小峰~菜久保沢出合

 1226小峰は雨降山~権現山縦走路が直下北側を巻くため通らず、訪問時時点で「鍋割沢の嶺」と木製の私設プレートらしきものが取り付けられているピークである。腰掛へと北一直線に下るのがこの尾根である。

 ピーク上から植林を下りだすと直ちに縦走路を横切り、植林の尾根上に薄い踏跡を辿った。東が県の分収林の植林地、西が自然林となっている。尾根に絡んで折り返しを交えて下るかなり古い道型は、倒木や崩れで埋まったり消えたりしていて部分的にしか使えない。尾根が分岐する箇所では道型の残骸をしっかり追っていくと、間違えずに済むので有り難い。959m小峰はわずか1~2mの登りだが、単調な下りの中で良い目印になる。ところどころで境界標やピンクテープを見る。

 尾根が自然林になる905mは家でも立ちそうなほぼ平地で、付近は尾根がゆるく広い別天地である。新緑、紅葉の季節はさぞ美しいだろう。落葉のなか踏跡や道型は完全に消えていた。870~840m付近で尾根は急に痩せて急になり、植生が貧弱で部分的に凍結した尾根を滑落に注意しながら慎重に下降した。以後も落葉と凍結とで滑りやすくなった、樹木が疎らで灌木や岩もなくスリップしたら止まらなそうな尾根を神経を使いながら下った。722mで右に小さな植林地が現れた。同様の危なげな下りを更に続けストレスが溜まってきた595m辺りで、前方の尾根上に岩のようなものが認められ、一方右側の崖下約30mには菜久保沢の流れが見えた。近くまで行かなければ岩場の難易度が分からないが、少なくともこれ以上危険な尾根上を右往左往するより沢に下って方が安全だろうと判断した。崖と言っても傾斜40-50度前後の何もない土壁で、幸い東面なので午前中の陽光を受けて凍結しておらず、ステップを切りながら慎重に上流に向かって斜めに下降した。その結果、約20mの下降で沢面に降り立つことができた。菜久保沢の575m付近である。

 少し下ると右に植林が出てきたので這い上がり、植林中の痕跡を適当に繋いで鶴川まで下った。可動式の木橋が外されていたので、鶴川を渡渉し、腰掛集落を登って車道に出た。

 

⌚ฺ  1226m小峰-(20分)-959m小峰-(40分)-595m付近-(5分)-菜久保沢575m付近- (20分)-鶴川- (15分・渡渉時間含む)-腰掛 [2023.3.4]

 

 

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1226m小峰から北へ下リ始める
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尾根は分収林との境界だ
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折り返し下る薄い道型
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自然林の緩やかな地形になった
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905mの完全な平地
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870mからは滑落しそうな疎林の急降下
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一歩ずつ慎重に尾根を下る
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最後は菜久保沢へと崖を下る
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橋が外された鶴川を渡渉すると腰掛