中村・百間干場道 【仕事径】

 奈良子川小沢の鳥居沢出合上から登り出し、浅利川の中村沢に下る、葛野川線11・12・13号鉄塔を巡る東電巡視路。葛野川線沿線は概して険阻な地形が多く、各鉄塔へは至近の車道からのピストン形式が多いが、この三本の間には、金山峠(ドウミ)付近の最も険しい部分をトラバースする変化に富んだ道が通じている。訪問時は崩壊で道が酷く荒れ、辛うじて通行可能な程度だった。

● 鳥居沢出合上葛野川線11号鉄塔登り口→金山峠

 奈良子川の支流、小沢の鳥居沢出合と百間干場の間に、黄色い東電標柱の立つ金山峠への登り口がある。近くの百間干場からも楽に登れる道があるので、この道は一般登山者が通ることは殆どないようだ。
 植林を細かい電光型で登ると、十分弱で葛野川線11号鉄塔の下に出た。稜線を右に二、三分行くと金山峠で、金山鉱泉から百間干場へ乗越す登山道が交差した。

 

⌚ฺ  11号鉄塔登り口-(10分)-金山峠 [2014.1.25]

●金山峠→葛野川線12号鉄塔の尾根

 金山峠は尾根道と姥子山登山道との十字路で、西行きの尾根道が東電巡視路となっている。1200M圏峰を越えて緩く下り、野脇への登りに掛かる地点で、黄色い標柱に従い左にトラバースを開始する。
 すぐに急傾斜の露岩帯のトラバースになり、桟橋が連続する。鉄パイプの土台に樹脂製の踏板が使用されているので、多少破損していても頑丈で安心だ。
 桟橋と桟橋の間の急な小尾根ごとに植林があるのには、驚かされる。踏跡程度の道は、僅かに下り気味の水平で続いている。荒廃のため、桟橋の鉄パイプが曲がったり傾いたりしている場合が多いが、しっかりと設置されており、問題なく通過できた。しかし一箇所、桟橋が完全に流失した部分があり、ルート取りに注意を要する。
 斜面の傾斜が緩くなりヒノキ植林が続くようになると、間もなく1090M圏で、金山沢と中村沢を分ける尾根に乗る。尾根下方の葛野川線12号鉄塔を経への道を分ける。

 

⌚ฺ  金山峠-(30分)-葛野川線12号鉄塔分岐 [2014.1.13]

●葛野川線12号鉄塔の尾根→遅能戸林道の水晶沢の支線終点

 ヒノキ植林の良道を緩く下り、1~2分で水晶谷の支沢に入る。水流は無く、広葉樹の谷筋の両側は植林されている。巡視路の樹脂製の踏板が階段状に並べられており、道を失う心配は無い。緩い谷は徐々に傾斜を増し、暗い植林地を下る。水流が現れてまもなく、ちょうど下ってきた支沢が水晶沢の本流に合流する地点で、林道の終点広場(890M圏)に着いた。地形図の堰堤記号の所である。広場から13号鉄塔への巡視路が始まっていた。

 

⌚ฺ  葛野川線12号鉄塔分岐-(15分)-遅能戸林道の水晶沢の支線終点 [2014.1.13]

【林道途中へのアクセスルート】(確認済みのもの)

  • 金山鉱泉または百間干場から金山峠
  • 中村からムジナ御前を経て葛野川線12号鉄塔分岐(踏跡程度

 

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桟橋が連続して掛かる
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破損桟橋と流失箇所(写真奥の方)
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鉄パイプが曲がっても強度的には通過可能