焼山・平戸道 【仕事径】
平戸から道志・焼山に登る旧道。地形図を見て道の通り行ってみたが、稜線登山道に合流する地点の表示で廃道扱いと分かった。道標は割とよく整備され、ある程度の道の手入れもあるので、ルートファインディングや崩壊地の回避など、バリエーションコースに慣れていれば普通程度の作業道として歩ける(2021.12.23現在)。
● 奥野林道ゲート~寺入沢への乗越
時間の関係で、平戸からでなく水沢橋の西側にあるゲート前の駐車場から取り付いた。そのため平戸から柏原ノ頭から南に出る468独標尾根の通過点(標高500m)までは通行していない。駐車場からそこまでは、水沢橋東側付近に入る小窪の左岸尾根の踏跡に取り付き、約400mから支尾根伝いに植林地の弱い踏跡を使って、獣害防止柵を潜ったり、作業林道を通ったりと、慌ただしく進んだ。
468独標尾根通過点には道標があった。尾根西側を捲いて進んだ緩斜面は、柏原という地籍を持つ。鳥屋青年団の道標がある。植林地を緩く登り、鳥屋財産区直営林界表示のところで柏原ノ頭南西尾根を回った。ここから道が悪くなった。なくても問題ないが、トラロープがついていたり親切だ。柏原ノ頭の西面をほぼ平坦に捲き、寺入沢への乗越直前で尾根に出た。道中多数の道標がある割に、逸失したのかここには見えず、突然直角に左折するので戸惑う箇所だ。右方には、柏原ノ頭への薄い踏跡が付いている。ほんの数十米先に道標があり、そこが寺入沢への乗越である。旧版図には下降路が載っているが、ちょっと見には分からなかった。
● 寺入沢への乗越~焼山下平戸分岐
この区間は、道標やベンチが整備されている反面、道の荒廃が進んでいる印象だ。尾根に絡む道は一目瞭然とは言えず、時々軽いルートファインディングを要した。小峰を捲き、次の道標で尾根に取り付いた。また尾根を離れ左を捲くと、古びたベンチで顕著な支尾根を回った。純植林帯を抜け、雑木林が混じるようになる。ほぼ尾根の南を捲くが、時々尾根に出たとき、冬枯れで道志側も展望がよかった。国土地理院図ではいくつかの分岐があるが、実際には道と言えるほど明瞭な踏跡は、この道だけだった。770M圏峰だけは、例外的に完全に北を捲く。北捲きの可能性をノーチェックだったのでうっかり直登してしまった。焼山の急斜面に取り付くと、道の斜度が上がり、九十九折れが混じった。ガレを横切る歩き難い細い踏跡で高度を稼いだ。焼山沢右岸尾根まで登り切ったベンチの地点(997m)で、ようやく一息つけた。あとは窪状を緩く登るが、落葉が溜まって道が見えない部分が多かった。すぐに主脈の南を捲く登山道に出合った。立ち入り禁止の看板と、450m先崩壊の表示があったが、全般にあまり道が良くないので、どの箇所のことか分からなかった。
少し暗くなり始めていたので、帰りは焼小屋沢右岸尾根を下降して伊勢沢林道に出た。