小菅川源流歩道 【仕事径】

 昭和初期の小菅の水源林開設当時に遡る、牛ノ寝から丸川峠まで小菅川、小室川、泉水谷の源流をトラバースする古い巡視道の一部である。比較的新しいガイドブック[1]においても、2009年の状況が紹介されている。歩行時点では多少荒れており一般向けと言い難い状態だったが、巡視道は数年毎に改修が行われるので、直後のタイミングなら歩きやすいことであろう。

● 荷渡し場~牛ノ寝玉蝶山下

 丹波山大菩薩道の荷渡し場から歩きやすい道を下って、数分でガレた小菅川本谷(熊沢)に出た。小流の左岸を下り、右岸に渡って少しで沢を離れ、直後に涸れた右岸支窪を渡った。小尾根を回り、シラベ沢を大きく下りながら渡って右岸の高みを通りながら高度を下げた。いったん水平になったが、棚沢に入ると右岸の補修された道を伝って少し下り、水平になって8|20林班界標のある次の小尾根を回った。続く熊棚沢も沢を少し下ってまた水平になった。沢沿いを下る部分は、常に不明瞭であった。次の天狗棚沢はガレた涸沢の下降が長く続いたが、暫く下ると明瞭な水平道が枯死しかけた笹ヤブに水平に入る部分が見つかった。
 以後は殆んど上下のない明瞭な水平道が続いた。一箇所だけ、玉蝶山に大きな崩壊があり、つけ変えられた道が戻るように登って大きく高巻いていた。広葉樹林の山腹を巻き進むと、道標の地点(手前は「山道」となっている)で牛ノ寝の登山道に出た。

 

⌚ฺ  荷渡し場-(40分)-牛ノ寝玉蝶山下 [2016.6.18]
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看板後ろに分かれる巡視道
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補修直後で綺麗な本谷左岸に沿う部分
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鮮やかな緑の中を行く
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棚沢右岸も補修後で道は完全
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やや頼りない古桟橋
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高巻き道のある崩壊部(振り返って)

 

[1]松浦隆康『バリエーションハイキング』新ハイキング社、平成二十四年、「小室川源流から小菅川源流」二五五~二五八頁。