大久保谷林道 【廃径】
全体的にはまだ使える部分が多いが、大久保・ミカワ間の酷い崩壊があり、大高巻きを要する。この高巻きは正しいルートを知っていないと危険である。
●車道(大久保林道)ゲート~ミカワ
ゲートからすぐ萩の久保トンネルがある。途中カーブのため真っ暗なので注意。山道はよく整備され歩きやすい。障子岩付近は、約1.5M幅の岩を切り開いた道。
大久保集落はすでに居住者がなく、作業小屋が一軒のみ。栗山方面への、他の道路と接続のない不思議な林道が、歩道から分かれる。作業小屋にナンバープレートのない車が見える。
歩道は、危険なほどではないがやや荒れてくる。やがて、暗い植林中の、廃屋の宿舎に着く。脇にロボット雨量計が設置されている。踏跡が、山の神の脇から尾根を登っている。
石積みと掘削で切り開いた立派な歩道も、崩落が進み一般向けではなくなっている。
廃屋の管理小屋を発ってすぐ、市兵衛沢横断点にこれも廃屋となった管理事務所がある。
次の小尾根を回るところが国有林界で、「浦山国有林」の古い看板がある。これより先の国有林は、管理放棄されている印象で、歩道・森林とも荒廃が酷く、伐採跡は荒れるがままだ。
歩道は、大久保谷左岸に岸壁が落ち込む部分を掘削と石積みで切り開いて造成されており、七曲沢手前のヒノキ植林地までは危険が続く。
3分で第一の崩落があり、誰かが設置した折れ枝を使った足場とお助けロープに頼って、オーバーハング気味の岩をへつって通過(ロープに振られると谷底に転落)。現場を見て不安に思う人は、引き返した方が良い。
さらに3分先に第二の崩落、さらに1分で第三の崩落がある。第二の方は傾斜したスラブ状の岩をトラバースして岩混じりの土の不安定な足場を十歩ほど登り、第三も同様に不安定な傾斜地のトラバースとなる。谷底まで約30M、高度感がある。その先の崩落有無は未確認だ。30分の試行錯誤の末、9割方行けるが100%安全な通過は不能と判断し、高巻いた。
岩稜帯全体を纏めて巻くため、伐採地下端の940Mまで標高差100Mを登る。登挙技術を要するが、第三の崩落手前より、第二の崩落手前の方がかなり易しい。初めから巻くつもりで、国有林界尾根の作業道(未踏査)を伐採地下端まで登った方がよかった。
伐採跡に登りつくと、張られたネットに沿って水平な踏跡がある。これをヒノキ植林に入るまで進み、植林地を、林道に達するまで急降下する。大久保谷がかなり高度を上げており、滝が近くに見える。
すぐ七曲沢を渡ると、道は折り返しながら高度を上げる。続いて伐採後放置された明るい川沿いを進み、立派な歩道が終わるとミカワだ。
ミカワは、深い大久保谷が一瞬開けた別天地で、この谷では貴重な原生林が茂り、三方から支流が勢いよく流れ込んでいる。先に左俣(大クビレ沢)と中俣(中ノ沢)が合流し、直後に右俣(赤岩沢)が合流する、変則的な形状だ。右俣右岸の整地の古いゴミから、かつて作業小屋があったことがわかる。
⌚ฺ 車道(大久保林道)ゲート-(15分)-車道終点-(20分)-大久保-(1時間20分)-ミカワ [2014.4.17]
●ミカワ~大久保水源林道(22空中図根点)
右俣と中俣の中間尾根の踏跡を追うが、踏跡は中ノ沢左岸に逸れていく。中ノ沢か大クビレ沢を登る作業道らしい。尾根にも踏跡があるようだが、伐採後の自然成育した荒廃地に斑模様の積雪が被さり、道型がよく判別できない。左の中ノ沢側がヒノキ植林になると、その境界沿いに踏跡が明瞭になる。
自然林、植林、ヤブっぽい伐採後荒廃地が交互に現れる。道は、倒木や残雪で寸断されながらも、左右に尾根筋をかわし、時には稲妻型に、無理なく高度を上げていく。垣間見える天目山林道が、坊主山への中間点として励みになる。
林道横断は、直下の造成による道消滅、直上法面の泥壁通過となるが、さほどの障害ではない。
林道の上は暗いヒノキ植林が続く。国有林巡視道(踏跡)、坊主山北東面巻道を横断する。残雪で確認できなかったが、ここに22空中図根点がある。
⌚ฺ ミカワ-(50分)-大久保水源林道(22空中図根点) [2014.4.17]
【林道途中へのアクセスルート】(確認済みのもの)
- 車道(天目山林道、坊主山北東尾根)
- 坊主山から北東尾根下降