小川谷中段左岸道 【仕事径】
日原からひとしきり登った後、標高差100メートル程度のほぼ水平なトラバースで三又まで続く道で、距離が長く時間が掛かるが、自然林と谷の美しさを楽しめる。水源巡視道なので道の状態は良い。最近のガイドブックにも解説されている[1,2]。
● 東日原~経木小屋跡~車道(小川谷林道)終点~三又
東日原の旧日原小校庭隅に、「巨樹コース」看板から入山する。(すぐ近くの神社ではなく)祠の脇を通り、三ツドッケへのサブルート分岐を過ぎ、案内板で巨樹コースを分け、杉植林をどんどん進む。
自然林に入ると、倒木や小崩壊が現れるが、通行の著しい支障となるほどではない。美しい森のトラバースが続く。
九十九折の坂を登り、1060M圏で小尾根を乗越したら緩く下り、賀郎谷沿いの歩道を合わせると道が良くなる。すぐ横篶窪を木橋で渡り、右手に道を分けると、トタンが散らばる経木小屋跡だ。
谷沿いに登る道を分け、賀郎谷を木橋で渡る。杉の小植林を抜けると、自然林の道型がやや不明瞭になった赤リボンの地点で、十字路を通過する。
17│16林班界標でモノレールを渡ると、カラマツ続いて杉の植林に入り、再び道が明瞭になる。
小尾根上の潰れ小屋地点では、下り道の方が明瞭だ。これを行くと、2~3分で、滝上谷方向に行く道と、賀郎谷出合方向に行く道とに分岐する。
左岸歩道は、潰れ小屋付近で不明瞭となるが、それを抜けると明瞭になり、滝上谷を高度間のある桟橋で通過する。しばし登ってから、次の尾根の1049M独標で滝上谷への道を分け、さらに数分の大きな植林地で、犬麦谷へ下る道を分ける。
暫くのぼりが続いた後、廃林道となった犬麦林道の終点に出る。急峻な犬麦谷を通過し、七跳山登山口を過ぎ、小川谷林道終点の大駐車スペースとなる。
道標が示す酉谷山への道に入ると、崩壊した林道後を数分間進み、急斜面のトラバースを続けると、やがて目の覚めるような緑と渓谷が美しい谷間の別天地、三又(ミマタ)に到着する。
[1]松浦隆康『バリエーションルートを楽しむ』新ハイキング社、平成十九年、「カロー大滝から日原森林館」七六~七八頁。
[2]松浦隆康『バリエーションハイキング』新ハイキング社、平成二十四年、「三又の滝谷─タツマの大滝─小川谷左岸道」五八~六一頁。